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【書評】藤井聡太の師匠による『悔しがる力』を読んでみて感じたこと

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久々の書評になりますむかみです

1ヶ月ぶりくらい?まあ気軽にやって行きますよw

今回は杉本昌隆さんの【悔しがる力】という本を読んでみての書評になります

杉本昌隆さんは、あの将棋プロの藤井聡太さんのお師匠様です

藤井聡太さんご本人でなく、その師匠から見た藤井聡太さんの凄さ、思考法を分析した本になっています

僕は最近将棋を指すことはほとんどありませんが、中学生くらいの頃は結構ハマっていました

授業中とかでも前の席の友達と先生に見つからないようにこっそり差してましたね(何やっとんだw)

プレステのゲームでもよくやってました(将棋王とか金沢将棋とか)

そんなこんなで、将棋はちょっと好きレベルの僕が、藤井聡太さんの師匠が書いた本を読んでみて何を感じたのか、書いていこうと思います

超負けず嫌いだけど冷静さも忘れない

2018年3月8日、第68期王将戦1次予選2回戦で弟子の藤井さんと師匠の杉本さんが公式戦で初対決し、藤井さんが勝利しました

公式戦で弟子が師匠に勝つことを将棋界では「恩返し」と言うそうです

なんとも胸熱な展開ですよね

杉本さんは藤井さんが小学生の頃から知っていて、そこでみた藤井さんは超負けず嫌いだったようです

負けると盤の上に崩れ落ちて泣きじゃくることもしばしばあったそうです

ただ、そこで「悔しい」と終わらせるのでなく次に勝つためにどうするか考えることの切り替えがめちゃくちゃ早かったとのこと

負けた後でも、自分の記譜をチェックして次に生かそうとしてたんですって

いつまでも過去のことを引きずらない精神は見習いたいですね

打ち筋は基本に忠実で、奇抜さはない

師匠の杉本さんからみた藤井さんの打ち筋は、まさに基本に忠実。そして丁寧。「楽をしない将棋」だそうです

僕の勝手な予想だと、何か奇抜なことをやって周りとは違うことに長けてたからのし上がったのかと思ってましたが、そうではなく淡々と冷静に、その場で最善の手を考えて打つ

それでいて将棋に対してめちゃくちゃ研究熱心で、詰将棋をやらせようものなら、他のことを忘れて夢中で解きたがるみたいです

他の人たちがやってみて、師匠も「これは詰めない将棋だからやっても無駄だよ」と言ってもなんとか解いて見せようとして、結局「やっぱり無理でした」となることもあったようです

無理だとわかっていても解かずにはいられない

本当に心の底から将棋が大好きなんでしょうね

師匠が故・村山聖さんに言われたこと

村山聖さんってご存知ですか?

癌により29歳の若さで亡くなってしまった棋士です

「聖の青春」という本も出ていて、松山ケンイチさん主演で映画化もされていますね

その村山さんが藤井さんの師匠である杉本さんと練習将棋をして、村山さんが勝利したそうで、その時にこう言ったそうです

「この手は以前もあった手じゃないですか。知らないんですか?勉強不足ですね」

と、軽く煽られたそうです

杉本さんから見れば村山さんは後輩に当たる人ですが、このように先輩にズバッと意見を言える当たり、大物感が漂います

でも杉本さんはその言葉がきっかけで、地元を出て大阪に一人暮らしをする決心がついたそうです

普通、後輩に煽られたりしたらどうでしょうか

「うるせえこのやろう!」と思って怒る人もいると思います

でもそこで冷静になって

「なるほど、確かに勉強不足だったな」

と自分にとってプラスになるような行動を取れるのは杉本さんの器が大きいところだなあと感じました

僕だったら多分怒りはしないだろうけどショックは受けるかもしれないですw

非常に弟子思いな人だなと感じた

読んでて思ったのが、「この人すごい弟子思いな人なんだな」と思いました

僕が想像していた師弟関係というのは、師匠がマンツーマンで厳しく指導して弟子が必死に喰らいつく、みたいな感じだと思っていました

でもそうではなく、弟子たちとはマンツーマンで接することはほとんどなく、弟子数人と師匠1人という形で接することが多いようです

理由は弟子がかしこまってしまうからなんだとか

また、藤井さんは高校生でプロ棋士になりましたが、兄弟子・・・いわゆる先に入門した人がいるわけです

兄弟子は藤井さんよりも年上で先に入門しましたが、実力的には藤井さんが上なので、兄弟子たちが買い出しに出かけることになるそうです

そんな時にもわだかまりが生まれないようにと、師匠も一緒についていって買い出しをするそうです

よっぽど気遣いができる人じゃないとこんなことできんよなあ、と思いましたね

慣れからくる思考停止が一番怖い

将棋では師匠が「これは正解」と道を作らない方がいいと言っています

教わる側が安心して道をまかせきってしまい、考える力が衰えるからです

慣れや安心からくる思考停止が将棋では一番怖いと言っています

将棋は常に思考し、最善の手を考える競技なので、考えなくなっては勝てなくなるのは明白ですよね

これは将棋以外にも言えるな、と感じました

変化をしないことに慣れてしまってはダメだな、と

変化をしないことに慣れてしまうと現状維持に走ってしまい、何もプラスにできなくなる

そうなると、ただ漠然と日々を過ごすことになりますよね

常に自分の頭で考えて、思考停止にならないように気をつけようと思いました

まとめ:将棋にそれほど詳しくない僕でも学べることは多かった

今回は将棋を題材にした本をチョイスしてみました

僕は特段将棋好き、というわけでもないですが、学ぶことも多かったです

あの藤井聡太さんの思考を師匠側から感じ取ったことがどんなものだったのか

結構興味深い内容でした

将棋に詳しくない方でも全然読み進められるので、興味があったら1度読んでみてください