ギタリストなら誰しもが華麗にアドリブ演奏を弾きたい、と憧れますよね
でもついついスケールの上昇下降だけになったり、ありきたりな演奏に聴こえてしまって頭を抱えている方、いると思います
今回はそんなアドリブ演奏に悩むギタリスト向けに『3音でギターを制覇するトライアド・アプローチ』というトモ藤田さんの教則本を紹介します
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以前、【ギター教則本】独学ギタリストには『基礎力向上のための独奏エチュード』がお勧めという記事でもトモ藤田さんの教則本を紹介しました
今回は、「トライアド」にフォーカスした内容となっています
トライアドとは3つの音で構成されたコードのことを言います
全てのコードの基本はトライアドだから、その基本をしっかり押さえておけばコードに合うアドリブ演奏が弾けるよ、という内容になっています
僕はこの教則本に書いてあるレッスンをもとに毎日トライアドのエクササイズを続けていて、そのおかげで指板上のどこでも瞬時にトライアドを押さえられるようになりました
この製品はこんな方におすすめです▼
- アドリブ演奏がうまくいかず悩んでいる方
- コードに合ったギターソロを弾いてみたい方
- アルペジオなどバッキングの引き出しを広げてみたい方
ギター演奏におけるトライアドの重要さ
著者であるトモ藤田さんは、自著やYoutubeでもたびたびトライアドの重要さを提唱しています
僕も全くその通りだと思っていて、トライアドってめちゃくちゃ重要だと思っています
アドリブ演奏だけにとどまらず、リズムギター演奏に置いても超重要だと思っています
トライアドは大きく分けて4種類あって
- メジャー
- マイナー
- ディミニッシュ
- オーギュメント
この4つをしっかりと押さえられるようになっていればバッチリです
トライアドを練習することのメリットとしてはこんな感じです
- 3音のトライアドは、ポピュラー音楽で使われるほとんどの音楽の基礎になっているので、他のあらゆるジャンルに応用可能
- 3音のトライアドはポジションの自由度が高い
- コードの展開系を容易に選べるので、状況に応じたプレイができる
- 理論的に分析不可能な曲でもコードに合わせたアドリブを弾ける
- トライアドを理解していれば、1音足すとテンションコードなど複雑なコードが作れる
例えば、Aというコードを押さえるとしたら5弦解放のコードフォームか6弦5フレットをセーハするコードフォームの2つが一般的かと思います
でもバンドのアンサンブルを考えた場合、もう少し高いポジションでAコードをアルペジオで弾いて欲しい、という要望があったとしたらどうでしょう
日頃からどこのポジションでもトライアドを押さえられるようになっておけば、他のバンドメンバーからの要望にもサッと答えられますし、独学でやっている人でも華麗なアドリブ演奏が可能になります
またどんなに複雑なテンションコードでも、紐解いていけば元は3音で構成されたトライアドなので、トライアドをしっかり押さえておけばどんなコードが出てきても対応できます
なのでまずは、3音でできた簡単なトライアドをマスターしてから他のことにも応用していきましょう
読んでみて感じた本書の良いところ
では、本書を読んで良いなと感じたところを列挙していきます
- 弦を指定してトライアドを弾かせるので、偏りがない
- Cメジャースケール以外のエクササイズが多い
- ジミヘンのようなコードフィルを学べる
- テンションコードの考え方が変わる
- 実践例があらゆるジャンルに応用させてある
ひとつひとつみていきましょう
①弦を指定してトライアドを弾かせるので、偏りがない
例えば、Cメジャーコードを弾かせるとして、1弦〜3弦までを使って3箇所トライアドを弾かせます
次に2弦〜4弦、3弦〜5弦、4弦〜6弦と、あらゆるパターンの弾き方を実践しています
このことによるメリットとして、低い音域でも高い音域でもトライアドを弾けるようになることです
例えばバンドでベースとギターが被るような音域だと、音が濁って聴こえてしまうのでギターはもう少し高い音域で分離させたほうが綺麗に響きます
こういうことに瞬時に対応できるようになるので
「このポジションでしかコードを押さえられない!」
ということがなくなります
もちろんすぐにはできるようにはなりませんし根気強い練習が必要ですが、どういう練習をすれば良いのか、この本に練習の仕方が全て載ってます
②Cメジャースケール以外のエクササイズが多い
大抵の教則本では分かりやすいようにCメジャーを基本にしていることが多いですが、それだけだと別のコードが出てきた時に対応できなくなる恐れがあります
本書ではEメジャー、B♭メジャー、Fマイナーなどあらゆるパターンを想定したエクササイズを用意しているので、特定のコードしか押さえられないということがなくなります
また、この練習を繰り返していくと指板上の音が分かるようになります
これは自分でもかなりプラスになったなあと実感しています
③ジミヘンのようなコードフィルが学べる
ジミ・ヘンドリックスのリトルウィングという曲がありますが、ギターのコードを元に美しいフィルが聴けますよね
トモ藤田さんの生徒さんでもリトルウィングを完璧にコピーできる人は多いけど、じゃあそれを他のコード進行上で弾いてみてと言われてできる人はほとんどいなかったと書かれています
個人的にこのコードフィルのエクササイズはめちゃくちゃ価値があると思いました
このコードフォームの形だとこういうアプローチパターンがある
そしてそれはトライアドを中心として考えられているから、このトライアドに対してどのような音を加えれば良いのか、ということを分かりやすく分析しています
これをマスターすれば、美しいギターソロだけでなく、バッキングにも絶大な効果をもたらすと思います
④テンションコードの考え方が変わる
テンションコードってなんか複雑そうなイメージがありますよね
でもそんなイメージを払拭してくれます
どんな難解なコードでも、紐解いていけば3音のトライアドを元にしているのでテンションコードに対する考え方が変わりました
本書では「アッパー・ストラクチャー」という考え方でテンションコードを解説しています
難しい説明は割愛しますが、要はベースの音に対してトライアドの音を重ねればテンションコードの響きになるよ、ということが書かれています
この考え方を頭の片隅に置いておくと、コードの理解がより深まると思います
⑤実践例があらゆるジャンルに応用させてある
実践例ではブルース、ジャズ、ファンク、ポップスと、豊富なジャンルに対応させた実践例を提示してあるので自分の中の引き出しが増えました
例えばファンクの時はあるトライアドに対して全音下のトライアドを組み合わせると効果的、といった感じです
どれかひとつに絞ってると偏りが生じやすいですが、多彩なジャンルで解説してあるのはありがたいですよね
あとがきにも深いことが書かれている
あとがきには10ページにも渡ってトモ藤田さんのギター練習に対する考え方、ギタリストとしてのマインドが語られています
正直、プロギタリストの率直な意見をここまで見れるのはそれだけでこの本を購入した価値があると思っています
安易な個性を求めない、人と比べるのはよくない、といった非常に興味深いことも書かれていたのでぜひあとがきにも目を通していただきたいです
まとめ:今よりステップアップを目指すなら、トライアドを制覇しよう
今回はトライアドに重きを置いた教則本を紹介しました
ここまでトライアドにフォーカスした本はなかなかないんじゃないかなと思います
もちろんトライアドをマスターするには1日や2日ではできませんし、根気強い練習が必要です
僕も購入してから1年以上継続しています
現状よりステップアップしたいという独学ギタリストの方は是非『3音でギターを制覇するトライアド・アプローチ』を手に取ってみてはいかがでしょうか
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